21:感情の切りわけワーク:感情と事象きりわけワーク

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虹の輪学園 感情と眼の前の事象きりわけ ワーク 感情に飲み込まれているとき、脳内では「情報の 混線」が起きています。 このワークの目的は、知識によって脳のスイッチ を切り替え、主権(主導権)を取り戻すことにあ ります。 1© 2026 一般社団法人 母子の体と心・居場所の自立支援 虹の輪学園

1. 脳内で行われている「主導権争い」 脳内では、常に以下の2つの部位が天秤にかかって います。 2 扁桃体(感情・本能) 不安や怒りを感知すると瞬時に発火し、思考を 停止させます。 ここが優位なとき、人は「主観的な物語(妄 想)」の中に閉じ込められます。 前頭前野(論理・客観性) 事象を冷静に分析し、解決策を練る場所です。 ここが優位なとき、人は「客観的な事実」をみ ることができます。 【知識の鍵】 実は脳の仕組み上、「客観的な分析(言語化)」 をしはじめると、扁桃体の興奮が抑えられるとい う性質があります。 つまり、感情と眼の前の事象の切り離しは精神論 ではなく、脳の物理的な切り替えスイッチなので す。 © 2026 一般社団法人 母子の体と心・居場所の自立支援 虹の輪学園

作業:今起きていることを、音声のない白黒の 防犯カメラ映像だと思って書き出します。 ルール:形容詞(ひどい、悲しい、冷たい)を 一切禁止。 「誰が」「何を言った」「どう動いた」という 物理的な動きだけを記録します。 例:「上司に怒鳴られた」ではなく「上司が、 机を叩き、通常よりワントーン高い声を出し た」と記述します。 3 2. 切り離し作業:3つのレンズ(観測作業) 感情に飲み込まれそうになったら、以下の3つのス テップで情報を整理します。 ① 「防犯カメラ」のレンズ(事象の抽出) © 2026 一般社団法人 母子の体と心・居場所の自立支援 虹の輪学園

4 作業:今、自分が勝手に付け加えている「意味 付け(深読み)」を抜き出します。 例:「きっと嫌われている」「もう終わりだ」 など。 これらは事象ではなく、あなたの「恐怖フィル ター」がつくり出した予測(バグ)であると特 定します。 ② 「センサー」のレンズ(反応の観測) 作業:その事象に対して、自分の肉体や心がど う反応したかを書きます。 ルール:主語をつかうのをやめる。 「私は〇〇だ」ではなく、「脳が〇〇という反 応を生成している」という表現をつかいます。 例:「私は悲しい」ではなく「胸のあたりに圧 迫感があり、脳が『悲しみ』という電気信号を 生成している」と観測します。 ③ 「フィルター」の解除(推測の分離) © 2026 一般社団法人 母子の体と心・居場所の自立支援 虹の輪学園

5 3. ワーク:感情分離ログ(実録作業) 以下の項目に従って、最近心が揺れた出来事を書 き出し、上書きしていってください。 1.【事象(カメラ映像)】 (例:夫(モラハラ)が帰宅して一言も喋らず に自室に入った) 2.【身体反応(センサー)】 (例:心拍数が上がり、喉が詰まる感じがす る、胸に違和感がある) 3.【感情ラベル(脳の生成物)】 (例:脳が『不安』と『怒り』を生成中) 4.【推測・フィルター(ノイズ)】 (例:私のことを軽視している、何か怒ってい るに違いない) 5.【結論(舵取り)】 (例:現実には『夫が無言で部屋に入った』だ け(事象)。今は家族と一緒に夕食を楽しむこ とにエネルギーをつかう(優先/自分の船を管 理する)。) © 2026 一般社団法人 母子の体と心・居場所の自立支援 虹の輪学園

6 感情と眼の前にある事象を切り離すことは、自 分の冷酷さの証明ではありません。 むしろ、荒れ狂う嵐(感情)のなかでも、船体 (自分自身)を壊さずに守り抜くための、最も 知的な自分を愛する(守る)「愛」の形です。 前頭前野という最新のナビゲーションシステム を起動させ、眼の前の事象という航海図を正し く読み解くことに専念する。 その「作業」を繰り返すことで、あなたの脳は 次第に、どんな波風にも翻弄されない強靭な船 へと再構築されていきます。 © 2026 一般社団法人 母子の体と心・居場所の自立支援 虹の輪学園

感情きりわけポケットカード 〜言語化のヒント集〜 日常で心が揺れた瞬間、あなたの頭のなかで、以 下の知識を呼び出し、脳のモードを切り替えてく ださい。 相手が怒っているとき 感情:私のせいだ、どうしよう。 知識による書き換え:相手の口から大きな音が出 ている(事象)。相手の船が天候不良なだけであ る。 否定された気がするとき 感情:私は価値がないんだ。 知識による書き換え:相手の恐怖フィルターが、 私の言葉を「攻撃」として誤変換した(相手側の 通信エラー)。 不安でたまらないとき 感情:最悪の事態になるかも。 知識による書き換え:脳の扁桃体が、生存維持の ために過剰なリスク計算(バグ)を行っている。 7© 2026 一般社団法人 母子の体と心・居場所の自立支援 虹の輪学園

既読スルーされたとき 感情:嫌われたのかな、無視された? 知識による書き換え:通信機器に「既読」のマー クがついたまま、物理的な変化がない状態。 自分を責めそうになったとき 感情:私はなんてダメなんだ。 知識による書き換え:エネルギー不足により、脳 が「自分を責める」という最も安易な自傷(省エ ネ反応)といえる反応を選択しようとしている。 8© 2026 一般社団法人 母子の体と心・居場所の自立支援 虹の輪学園

【魔法のきりかえフレーズ】 9 「今、防犯カメラ映像(眼の前の事象)だけ をみると何が起きてる?」 視点をはずしてみることは、現状をシンプルに 捉えるためのスイッチです。 「これは私の課題か? 相手の船の故障か?」 眼の前の事象についての課題や故障の原因を明 確に分離します。 家族など、どれだけ愛している相手だとして も、相手の課題や故障した船そのものを、あな たが背負い持つ必要はないと気づくことができ ます。 「脳が勝手に生成している電気信号(感情) を、他人事として眺めてみよう」 例え、相手の電気信号という「嵐」のなかに放 り出されたような状況であっても、第三者の視 点に立つことで、その嵐は相手の船で起きてい る現象であり、自分の船で起きている嵐ではな いと見抜くことができます。 これにより、相手の船の故障を冷静に観測でき るようになります。 © 2026 一般社団法人 母子の体と心・居場所の自立支援 虹の輪学園

眼の前の事象と感情を切り離すことは、決して冷 淡になることではありません。 それは、外部の刺激によって振り回されていた、 過去のあなたの「人生の操縦席」を、自らの手に 取り戻す、いわば聖域の確保です。 眼の前の景色がどれほど荒れ狂ってみえていて も、それが脳の生成した信号に過ぎないと見抜く 知識があれば、あなたはいつでも静寂の中へと帰 還できます。 他者の感情という波を、プロのサーファーのよう に、無理に乗りこなそうとするのではなく、眼の 前の事象という動かぬ大地に足をつけ、そこから 次の一歩を選ぶのです。 その知的な選択の積み重ねは、あなたの船の「揺 るがない強さ」を育み、無理のない航海へと進 み、真の自由がある居場所へと導いていけるので す。 10© 2026 一般社団法人 母子の体と心・居場所の自立支援 虹の輪学園