完了5:過敏性腸症候群(IBS)のメカニズムと対策

Created in Canva

過敏性腸症候群(IBS)の メカニズムと対策 1. 概要 過敏性腸症候群(IBS: Irritable Bowel Syndrome)とは、検査で炎症や腫瘍などの明ら かな異常が見つからないにもかかわらず、腹痛を 伴う便通異常(下痢、便秘、あるいはその交互) が慢性的につづく疾患です。 現代社会では、特に真面目、責任感の強い人、長 男や長女など、精神的プレッシャーの強い方々 や、プロフェッショナル層に多くみられる「機能 性疾患」の代表格です。 1© 2026 一般社団法人 母子の体と心・居場所の自立支援 虹の輪学園 2. 体内で起きていること 主な原因は、消化管の「運動機能異常」と「知覚 過敏」、そして「脳腸相関(のうちょうそうか ん)」の乱れです。 脳腸相関のバグ 脳が感じたストレスが自律神経を通じて腸に伝 わって、腸の動きを過剰にさせます。同時に、 腸の刺激が脳へと過敏に伝わるので、さらなる 不安や体調不調を呼んで、悪循環に陥ります。

2© 2026 一般社団法人 母子の体と心・居場所の自立支援 虹の輪学園 3. やらない方がいいこと(回避すべきリスク) 腸の過剰反応 通常の食事やわずかなガスに対しても、腸の神 経が「痛み」として過剰に反応し、激しい収縮 (ぜん動運動)を起こす。 セロトニンの関与 脳内の伝達物質として知られるセロトニンの約 90%は腸に存在します。この分泌バランスが崩 れることで、便通異常が引き起こされる。 悪化させる食習慣 食後すぐに横になる 腸のバイオリズムを壊し、排便コントロールを 困難にします。 高FODMAP(フォドマップ)食の過剰摂取 腸で吸収されにくい特定の糖類。これらが大腸 で発酵し、ガスを発生させて腸を膨張させま す。 冷たい飲み物・刺激物の摂取 腸を直接刺激し、過剰なぜん動運動を誘発しま す。 不規則な食事時間

分類 避けるべき食品 (高FODMAP) 推奨される食品 (低FODMAP) 穀類 小麦(パン、パスタ)、ライ麦 米、そば(十割)、 グルテンフリー製品 野菜 玉ねぎ、にんにく、ごぼう キャベツ、レタス、トマト、 人参 果物 りんご、桃、ドライフルーツ バナナ、キウイ、オレンジ 乳製品 牛乳、ヨーグルト 豆乳、アーモンドミルク、 硬めのチーズ 豆類 大豆、小豆、レンズ豆 納豆(少量)、豆腐 3© 2026 一般社団法人 母子の体と心・居場所の自立支援 虹の輪学園 4. 改善策と指導指針 食事療法:低FODMAP(フォドマップ)食 近年、世界的に推奨されているアプローチです。 以下の特定の糖類を一時的に控えます。 生活習慣・メンタルのNG 腸の粘膜を刺激し、知覚過敏を助長します。 「出さなければならない」というプレッシャー 排便に対する過度な意識は、脳を通じて腸の緊 張を高めます。 過度のカフェイン・アルコール

4© 2026 一般社団法人 母子の体と心・居場所の自立支援 虹の輪学園 過敏性腸症候群(IBS)は、性格的に真面目で責 任感の強い方、あるいは高いパフォーマンスを求 められる環境にいる方に多く発症します。 食事制限だけでなく、脳と腸はつながっているこ とを理解し、心理的ストレスの軽減も含めたトー タルケアを意識してください。 急激な体重減少、血便、夜間の激しい腹痛がある 場合は、他の病気の可能性があるため、必ず専門 医の受診を促してください。 適度な運動 ウォーキングなどの有酸素運動は、腸のガス排 出を助け、自律神経を安定させる。 規則的な排便習慣 出なくても決まった時間にトイレに行く習慣を つけ、排便反射を整える。 ライフスタイル調整 腹部マッサージ 「の」の字を書くような優しいマッサージで、 物理的にガスの移動を促す。